第四歩目

 

 

4回目の依頼だった

私はまた、なりたい自分になりきれなかった

思い描く姿は惨めで、恥ずかしいもので

どうしようもなく情けなくて、汚くて、醜くて

 

当たり前のように

"こうなっちゃいけない"が邪魔をしてくる

そう思っているのは私だけなのに

 

ずっと大事にしていた"こうなっちゃいけない"は

本当に大切なものだろうか?

 

「しちゃいけないことはない」

理解して、受け入れたが

"こうしたい"を形に出来たことがあっただろうか?

 

 

 

「毎日生きてて楽しいか?」

 

楽しい、と言えなかった

"人生楽しんだもん勝ち"と言う人達を嫌う理由は

私が人生を楽しんでいないからだ

 

 

 

溶けてツルツルになっている雪の上をわざと歩くのは

小学生以来じゃないだろうか

だって、滑るし危ないし転んだら恥ずかしい

あなたはいいよ、ムートンブーツ履いてるし

私ヒールだよ?転んだらどうするの…

 

言わなかったけれどちょっとだけ、

あ、楽しいなぁと思った

 

震えてしまうくらいの寒さも

人通りの多い所で最初はあった恥ずかしさも

楽しさに塗り替えられてなくなっていた

それに気付いたのは家に帰ってからだった

 

 

「楽しく生きや!」

 

帰り際に言われたこの言葉が

帰り道も、家に着いても、今もまだ

頭の中をこだまする

 

 

 

乳母日記

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