111...

 

 

 

『強くなりなさい』
『あなたに何も残してあげられない』
この言葉がずっと心の奥底に
重りをつけられたまま放置されていた。

 
ひとりでも歩いていけるように
あの人は 私にそういったのだろう。

 

『私がいつ死んでも どうにでもなるように
生きていけるようになりなさい』
突きつけられた言葉は
重く 尖って 心から取れない。

 

 

夜逃げしたあの日
パパがいなくなった日
泣きじゃくる母を見た日
殺されそうになったあの夜
学校に行きたくないと泣き叫んだ朝
腕に剃刀を立てた日
嘘を覚えた日
初めて体を重ねた日
人を傷つけた日
人に傷つけられた日
進路を閉ざされたあの日

 

 

 

どうしてこんなに上手くいかないのかな?
『こんな子に産んだつもりなかった』

私は今思うよ。
こんな家に生まれるつもりなかった。

 

 

必死に育ててきてくれた親に
酷いなあ わたし。

大好きなのに よくわからないや。

 

 

穏やかではない人生を送ってきたわけだけれど
今まで恨んだことなんてなかった。

『仕方ないよ 大丈夫 頑張ろう』

 

 

そう言ってきた。
なのになんで?
なんでこうなるの。

 
好き勝手に生きてきた人が
また家庭を振り回して
わたしの未来は?夢は?

 

 

少しだけでいいから手を伸ばして欲しくて
言葉を詰まらせながら あなたに伝えた。
伝わらなかった 私の思い。

気づいてもらえない わかってもらえない。

親の為に生きてきたのに。

 

 
なら、今の私は誰のために生きてるんだろう
何のために生きてるんだろう。

 

 

 

少しでも一緒に歩いてくれる人がいるならば

私の人生の一部をその人にあげるから

わたしはその人のために生きたい。

その人のために毎日を精一杯生き延びたい。

 

私は生きる理由を見つけたい。

 

 

死にたいんじゃない
生きたいんだよ わたしは。

乳母日記

乳母日記